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コラム 牧師の書斎から

2016年2月14日 小平牧生

20世紀最大の神学者であるカール・バルト先生に、一人の学生が「先生の神学をひとことで要約すればどのように言うことができますか?」と訊ねました。するとこの質問に対して、バルト先生は次の有名な子ども讃美歌の一節をもって答えたそうです。

Jesus loves me this I know, for the Bible tells me so.(私は知っている。イエス様が私を愛してくださっていることを。なぜって、聖書にそう書いてあるから。)

日本では「主われを愛す」という子ども賛美歌ですが、あらためて読むと簡潔にしてポイントをおさえた、実にすばらしい要約です。バルト先生が本当にそのようなことを言ったのかどうかは諸説あるようですが、たいへん味わい深い内容であることに変わりはありません。

聖書が私たちに語っているメッセージの中心は、すべての人に注がれるイエスキリストの愛です。すべての神学はその説明に過ぎません。この一節が神学の要約なら、それに続く部分は、クリスチャンの歩みを要約していると言えるかもしれません。

Little ones to Him belong; they are weak but He is strong.(小さき者らは主のもの。彼らは弱くても、主は強いお方。) 私たちは神様の前に小さき者、足りない者、そして、弱い者です。けれどもそのような私たちですが、私たちは自分がイエスキリストに属する存在であることを知っています。このことを自分のアイデンティティとして持つことができるならば、私たちは人生を恐れることはありません。なぜなら、私たちが弱くても、私たちとともにおられる主は強いお方だからです。

自分が強くなることができるようにと願い求めるのではなく、私が主のものであることをいつも忘れないでいることができるように祈りましょう。

Yes, Jesus loves me. Yes, Jesus loves me. Yes, Jesus loves me. The Bible tells me so.