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コラム 牧師の書斎から

2017年12月17日 澤村信蔵

レオナルド・ダビンチが描いたイエス・キリストの肖像画「サルバトール・ムンディ」(救世主)が、今年11月にニューヨークで芸術作品としては史上最高額の約4億5030万ドル(日本円で約510億円)で落札されました。絵に関しては全くの門外漢ですが、ありうるだろうなとも思ってしまいます。それは、主イエス・キリストの絵だからではなく、レオナルド・ダビンチの絵だからです。現存するダビンチの絵画は20点にも満たず、個人所有としては希少性があるからです。でも、少し悲しい気もします。本当に価値があるのは、「サルバトール・ムンディ」救世主そのものだからです。ダビンチの絵は、想像で描かれたのか、誰かを元にして描かれたのか分かりません。でも、確かに、この救世主は、2000年前にこの地上に人としておられたのです。そして、このお方に出逢い、多くの人の人生が変わりました。中風の病いに苦しんでいた人は、癒されるだけでなく、罪を赦していただき、床を取り上げて、歩みを始めました。お金に執着するあまり誰からも相手にされずさみしい思いをもっていたザアカイは、このお方に触れられ愛を知り、貧しい人に施すものへとかえられました。皆から隠れて日常を送っていたサマリヤの女は、自らの弱さも人々の前で明らかにしても、このお方を紹介したのです。このお方と出会った人は、喜びにあふれ、恵みを頂くことができ、そして、自ら行動するものへと変えられました。
イエス・キリストは、私たち一人一人が出会う価値のあるお方です。500億以上、いや全世界の富以上に価値があるお方です。ダビンチの絵は高すぎて少し手が届きませんが、それよりもはるかに価値のあるお方を私たちはお迎えすることができるのです。クリスマスは、この主イエス・キリストが、私たちと出会うためにこの地上に来てくださったことを記念する日です。このキリストで出会えたことを心から感謝しましょう。