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コラム 牧師の書斎から

2018年2月25日 澤村信蔵

平昌オリンピックで驚くことがありました。本来は、スケートボードの代表選手であるエステル・レデッカが、スキーの女子スーパー大回転で優勝しました。スキーとスノーボードですから似ている部分はありますが、全く違うものです。でも実際に勝ったのです。実は、同じような出来事は1924年パリの夏のオリンピックでもありました。と言っても私はその時は生まれていませんので、記憶に刻まれているのは、その実話を基にした映画「炎のランナー」です。エリック・リデル、イギリスの短距離の陸上選手です。彼の得意種目は、100mと200mで、200mに出場して銅メダルを獲得します。それだけでなく彼は400mに出場し金メダルを獲得するのです。しかも当時の世界記録でした。100mと400mは似ているように思いますが陸上の世界では全く違う種目です。どうしてそうなったかというと、彼が数か月前から、自分の得意種目である100mではなく、400mの練習を集中的に行ったからだといわれています。実は、数か月前に競技日程が発表されたとき、リデルは戸惑い、悩みました。それは、100mの予選が日曜日にあったからです。敬虔なクリスチャンであったリデルは、オリンピックのメダルや名誉ではなく、神を選び、100mを辞退することを決めます。しかし、同時に、自分にできる精一杯のことを行おうと、400mに出場するためにベストを尽くしたのです。結果としては、人々の期待を良い意味で裏切って金メダルを獲得するのです。でも、それ以上に多くの人に驚きを与えたのは、彼が日曜日に予選に出ることをしないで神を礼拝することを選んだということです。ひどい非難の嵐にさらされてもおかしくありません。でも、神は彼の選択をよしとされたのです。私たちがほかの何にもまして神を選ぶなら、神は私たちにも金メダル以上の最高のものを与えてくださるのです。