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コラム 牧師の書斎から

2019年9月15日 澤村信蔵

「神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています。」(ローマ8章28節)
 先週月曜日教団の大先輩である毛戸麗子先生の葬儀に出席しました。先生の証しを伺いしました。麗子先生は、十代の時に耳を患い、脳膜炎による死の宣告を受けました。その後、1年半の間に7回の手術を行いました。最後の手術は北大病院設立以来の大手術と言われ、腐敗した頭の骨が手術用の膿盆に山盛り一杯になりました。その様子を見ていたインターンの看護師が気絶されたほどの状況でした。アメリカから新薬を取り寄せても、最高権威者の指導で手術をしても、すべて失敗しました。霊安室を通らなければ、病院を出ていけないとまで言われました。でも、翌年大きな転機が訪れました。それは、看護師の目を盗んでまで聞きに行った2度目の来日をしたヘレンケラー女史の講演を聞いた時でした。女史が、「私は世界一幸せ者です」と言ったその言葉にはっとされました。先生は自分こそが世界一不幸なものだと思っていたからです。女史が語られた愛なる神様との深い交わりを持っておられる姿に感激し、胸がいっぱいになったのです。そしてご自身も主イエスに触れて、変えられたのです。そして、献身をしてもなお身体は弱かったのですが、不思議と強められなんと8人もの子供が与えられました。最後の最後まで主に従う献身生涯を全うしたのです。イエス様に出会う前、「世界一不幸な者」が、イエス様に出会った後には、「世界一幸せな者」に変えられるのです。病でさえも、最高の出会いへと導かれるきっかけに用いられるのです。