ここからコンテンツ

コラム 牧師の書斎から

2020年2月2日 澤村信蔵

先週は、新型コロナウィルスのニュースが沢山流れていました。チャーター機で500名以上の人が帰ってきました。その中には、症状が何も出ていないのに、感染をされていた方がおられたそうです。そして、まだ症状が出ていなくても、周りに感染を広げてしまう危険性があるとのことでした。インフルエンザなども目に見えないですが、それでも症状があるのである程度防御することは可能です。でも、今回の場合には、誰も気づかず、本人でさえも気づかずに周りに影響を与えてしまっているのです。誰がウィルスを持っているのかわからないことが恐れの原因になっているのかもしれません。そして、人から人へどんどん手渡されていくと、あるところを超えると、爆発的に広がっていってしまうのです。武漢は今その状況かもしれません。
イエス・キリストの福音も、ある意味で同じように、一人から一人へと「口コミ」で広がりました。ステパノが、キリストを信じる信仰のために石で打ち殺され、エルサレムの信徒たちは迫害のために家を追われました(使徒の働き8:1~3)。しかしこの人たちは、恐れおののいて信仰を隠すのではなく、逃げて行く先々で、主イエスについて語りました。「散らされた人たちは、みことばの福音を伝えながら巡り歩いた」(4節)のです。表現は悪いですが、福音をまき散らしていったのです。でも、そうやって福音を語り続けたからこそ、今私たちのところに福音は届いたのです。私たちもみなイエス・キリストに捉えられた人です。イエスに感染してしまった人といってもいいですね。今週もこのイエスから与えられた福音を多くの人に伝えていきましょう。