コラム 牧師の書斎から
2020年10月11日 澤村信蔵
「わたしはあなたに天の御国の鍵を与えます。あなたが地上でつなぐことは天においてもつながれ、あなたが地上で解くことは天においても解かれます。」（マタイ16章19節）
今、日本学術会議のことで、首相の任命権、権威がどこまで及ぶのかということが話題になっています。それは、首相といえども、政府機関に対するすべての権威を持っているわけではないからでしょう。
でも、冒頭のみことばは、私たちの権威は、首相以上で、天の御国に入るかどうか判定する鍵を与えられていると書かれています。この権威は、「あなたは生ける神の子キリストです。」とのペテロの告白を受け継ぐもの、教会に与えられています。つまり、私たちがこの権威を持っているのです。簡単に言えば、天国に行けるかどうか、その判定を私たちが出来るのです。私たちがこの地上で良しと言えば、天国に入れますし、ダメだというと、入れないのです。そう思うと、私たちは自分を小さなつまらない者と思うことは絶対にできません。天の御国の鍵の権威が、私たちにもあるのですから。また、同時に、私たちが、このことを正しく理解するならば、増長することにもなりません。権威が自分にあるなら、同時にそれだけ重い責任があるからです。そして、もう一つ忘れてはならないことは、この鍵は、解くためではなく、つなぐために与えられているということです。一人でも多くの人を天国へ導くために、私たちにはこの権威が与えられているのです。私たちに与えられているこの天の御国の鍵を、一人でも多くの人を天の御国に導くために使いましょう。