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コラム 牧師の書斎から

2020年10月18日 澤村信蔵

「わたしはよみがえりです。いのちです。わたしを信じる者は死んでも生きるのです。」(ヨハネ11:25)
 人生とは何でしょうか。聖書で最も知恵があるとされるソロモンが書いた人生観は、「空の空。伝道者は言う。空の空。すべては空。」(伝道者1章2節)。つまり、すべてはむなしいのだと語るのです。悲観的と言えばあまりに悲観的な人生観ですが、この伝道者が語る理由を聞けば、「なるほど」と言わざるを得ないかもしれません。それは、「知恵のある者は愚かな者とともに死ぬ」(2章16節)という現実があるからです。どれほど苦労しても、そうやって知識と名誉と財産を蓄えても、やがて「ちりに帰る」なら「空の空、すべては空」と言わざるを得ないかもしれません。実際に、知恵と名誉と財産を蓄えたソロモンでも、そのように語らざるを得ないのです。
 じゃあ、私もむなしい人生を生きないといけないのでしょうか。そのむなしい人生に主はいのちを与えるために来てくださいました。「わたしを信じる者は、死んでも生きるのです」。様々な労苦の末にちりに帰らなければならない私たちが、イエス・キリストを信じることによって「死んでも生きる」、すなわちたとえ肉体の死を迎えても神と共に生きるようになると聖書は約束しているのです。ここにこそ、人類最後の敵である「死」をも打ち破る希望があるのです。「わたしを信じる者は、死んでも生きる」。イエス・キリストの語られたこの約束にこそ、「空の空」ではない真に幸いな人生があるのです。「人生とは何か」。あなたの人生が、いのちと喜びにあふれたものとなりますように。