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コラム 牧師の書斎から

2021年10月31日 澤村信蔵

 「神を愛する人たち、すなわち、神のご計画にしたがって召された人たちのためには、すべてのことがともに働いて益となることを、私たちは知っています。」(ローマ8章28節)

 昨日は、聖書を学ぶ会でピレモンへの手紙を読みました。パウロが、主人ピレモンの物を盗んでローマへ逃亡した奴隷オネシモについて書いた個人的な手紙です。オネシモは、逃亡先のローマで牢獄の中にいるパウロに出会い、福音を聞いて改心しました。オネシモが犯してしまった罪、悪をきちんと正す必要を感じ、ピレモンにオネシモを受け入れてくれるように願って手紙を持たしてオネシモを送り出したのです。オネシモのような大失敗であっても、冒頭のみことばのように、神様は、すべてのことを益にしてくださいます。しかも、それは、単にマイナスがゼロに戻るというだけではありません。むしろ、それ以上のことをもたらします。オネシモ(有益なという意)は、その名に反して役に立たない者でした。主人を裏切って逃げました。でも、そのオネシモが福音に触れ、イエス様に出会った時、主人にとって役に立つ者に変えられました。そして、喜んで自分から主人に仕える者へと変えられたのです。本来の自分らしさを取り戻したのです。だから、オネシモの失敗は、オネシモにとっても、主人であるピレモンにとっても最高の結果をもたらすものへと変えられたのです。これが神様がされる益となるということです。私たちの人生にもいろんなことが起きますが、でも、すべてのことが必ず益となると信じて期待していきましょう。