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コラム 牧師の書斎から

2023年3月12日 澤村信蔵

 さて、過越の祭りの前のこと、イエスは、この世を去って父のみもとに行く、ご自分の時が来たことを知っておられた。そして、世にいるご自分の者たちを愛してきたイエスは、彼らを最後まで愛された。(ヨハネ13章1節)

 今年のイースターは、4月9日です。今は、イースターに備える受難週です。この13章からは、イエス様は十字架に向かわれるその直前の話です。皆さんだったら、もうすぐ自分の死を迎えるという時、その死を前に何をされますか?ある人は、遺言を残しますね。自分の遺産や伝えたかったことを余すところなく伝えるのです。このあとを見ると、イエス様も遺言とも思えるメッセージを語っていますね。また、ある人は、自分のやりたいことをやります。豪華な食事、旅行、思い出の地巡りなど今までしたくてできなかったことをやってみるというのも一つの手段ですね。では、イエス様は何をされたのでしょうか?イエス様がされたこと、それは、弟子たちを愛するということです。それも、世にいるご自分の者たちを愛してきたイエス様が、最後まで愛されたのです。つまり、これまでやってきたことと、同じことをとことんされたのです。なぜなら、イエス様にとって愛することは、すべてだったからです。しかも、その中に、イエス様を裏切るイスカリオテのユダや、イエス様を知らないと拒絶するペテロも含まれるのです。相手がどうあろうとも、イエス様は愛し続けた。これこそイエス様が死を目の前にしてやりたかったことです。皆さんはどうですか?この素晴らしい愛を受けているのです。最後の一息まで、愛することを追い求めていきましょう。