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コラム 牧師の書斎から

2011年5月22日 澤村信蔵師

先週、ホーキングという有名な宇宙物理学者が、人間の脳について「部品が壊れた際に機能を止めるコンピューターと見なしている」とし、「壊れたコンピューターにとって天国も死後の世界もない。それらは闇を恐れる人の架空のおとぎ話だ」と否定的な見解を述べました。彼の著作は有名で、私も学生時代「ホーキング、宇宙を語る」などを読み非常に感銘を受けまし。しかし、昨年9月に出した本では量子力学に重力の理論を組み合わせた最新の研究成果から、偶然の一致に見える現象は「創造主なしで説明は可能」、「宇宙誕生に神は不要」と述べ、今回また天国も死後の世界もないと述べました。非常にセンセーショナルな言葉なのですが、おそらく日本では同じように考えている人が多いので、あまり話題にもならなかったかも知れません。

この世界が確率論的に生じたと考えることもできるでしょう。神の力を抜きにして宇宙がどのように出来たかを研究している人は沢山います。一つの仮定としては正しく現象を説明できるかもしれませんが、私達の人生の最も大切な質問「私はなんのために生まれたのか」という問いには絶対に答えを出すことはできません。もしその問いに答えが出せないとしたら、生きることに意味を見出せなくなってしまいます。特に壊れたコンピューターのようになってしまうのならなおさらです。捨てられてしまうだけです。

しかし、たとえ壊れたコンピューターのようになったとしても、私達が生きることには意味があるのです。全てのことができなくなったとしても、私達の存在そのものを愛するために神は私達を造られたのです。そのことを知る時、初めて人生の意味を見出すことができるのです。今日も私達を愛して下さる主に心からの礼拝をささげましょう。