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コラム 牧師の書斎から

2012年12月9日 小平牧生師

日本一予約が取りにくいといわれているレストランが銀座にあります。成増のみなさんはきっとご存知でしょう。「新鮮なウニのスパゲティ」で有名な、LA BETTOLA(ラ・ベットラ)です。リピーターが多いのだそうです。その人たちは言います。「何度食べても美味しい。毎回この店に来るたびに、新鮮なウニのスパゲティを注文します。」ところが、オーナーシェフの落合務さんの言葉に考えさせられました。「毎回美味しいと言っていただくのは難しい。30年間同じメニューに美味しいと言っていただけるのは、絶えず味を変えているからです。もし同じように作っていれば、お客さまは必ず『昔のほうが美味しかった』と言う。味を変えているから、前回より美味しいと感じていただくことができるのです。」

教会はどうでしょうか。成増教会は新しく来られる方が多い教会だと思いますが、その人たちがリピーターになっているでしょうか。すばらしいメッセンジャーとさんびリーダーが与えられていますが、もし、リピーターが増えないとすればなぜでしょうか。落合シェフは言います。「一度良い評判を取ると、同じことの繰り返しで良いと思ってしまう。危険だ。」

礼拝が終わって帰る時に、「次週の礼拝が楽しみだ」「また来たい」と思う。そんな礼拝をささげるために必要なことは何でしょうか。それは変化し続けることです。満足しないことです。「次はどんな礼拝だろう」と期待させることです。礼拝に初めて来る人というのはヒマだから来るのではありません。心が渇いた人がきます。だから前に立つ人を見抜きます。私はそのことをすごく感じます。これは牧師やさんびリーダーだけのことではありません。信徒が毎回期待をもって礼拝に出席する教会は、牧師や奉仕者が結果的に成長します。信徒が習慣や義務のように礼拝していれば、はじめてきた人たちはわかります。繰り返します。一回だけなら多くの人を集めることはできます。しかし人々が繰り返して来る教会が本物の教会です。目ざしましょうよ、そんな教会を。