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コラム 牧師の書斎から

2016年12月11日 澤村信蔵

「受けるより与える方が幸いです。」アメリカで「シークレットサンタ」と呼ばれる人がいました。彼の名はラリー・スチュワート。化粧品会社を経営しますが、すぐに破たんし、食べるものにも困ります。ある日、我慢ができなくて、レストランに入って、お腹いっぱい食べてしまいます。支払いは、20ドル弱。でも、お金がありません。財布を探すふりをしたり、その場を取り繕うとしていると、店主が不思議な言葉をかけます。「お客さん、落としましたよ。」手には20ドル。そのお金で支払いを終えることができました。今度は警備会社を起こすのですが、また倒産してしまいます。借金をかかえ今度は、銀行強盗を計画します。ピストルを出していざ犯行に及ぼうとしたその時、目の前の少女が貯金をしようとカウンターにお金を出しました。それが20ドル札です。その時ふとあの光景が頭をよぎります。あのお金は本当に落ちていたお金なんだろうかと・・そして、あの店に行き、店主に話を聞きます。すると一言、店主は言います。「クリスマスは、皆がハッピーになれるんだ。」と。その時、彼はすべてを覚ります。あるクリスマス、町でポップコーンを注文すると、店員が気もそぞろで、おつりも商品も違うものを渡します。そこで、おつりの中から20ドルを渡し、メリークリスマス!と言うと、その店員の顔がぱっと明るくなったのです。嬉しくなったラリーは、貯金を全部20ドルにして、町で困っている人に配ったのです。そして、次の年からは、サンタの格好をして、20ドルと配り続けます。友人と長距離電話会社を設立して、大成功しても、その働きを続けます。27年間で1500万ドル(1億5千万円以上)を配りました。与えれば与えるほど与えられたのです。人々は、そのサンタを「シークレット・サンタ」と呼ぶようになります。でも、シークレットサンタも終わりの時がきます。癌と宣告されて、亡くなる4か月前とうとう彼は、自分の正体を明かします。でも、奇蹟が起こります。彼が亡くなったその年のクリスマス、町はシークレット・サンタであふれます。私もその働きをしたいと願う人が大勢いたのです。私たちも与える者となりましょう。